薬ができて病院で使われるようになるまで…八木雄一が解説

■症状は同じでも違う薬を処方されたことがある
皆さんが病気になった際には、真っ先に病院へと足を運ぶと思いますが、そこでこのような経験をされたことは無いでしょうか。
「この前と似た症状なのに、処方された薬が違う」
あまり気にせずに処方された薬を飲む方もいるとは思いますが、中には不思議に思ったことがあるという人も多いはずです。これには、薬が出来上がってから実際に病院で使用されるようになるまでという期間中に事情があります。今回、私、八木雄一が、薬ができてから使用されるようになるまでの流れについて解説していきます。

■薬が市場に届くまで
現在日本国内には2000を超える製薬会社があり、各社が競ってより良い薬を開発しています。その競争の力もあり、以前は難病とされていた病気も薬の力を借りて治療することができるようになってきています。薬が実際に病院で使用されるようになるまでには、まずは新たな薬を開発する所からスタートすることになります。製薬会社はまさにその仕事を請け負っている会社で、日々研究に研究を重ねて新薬の開発に取り掛かっています。そしてできた薬は、次に臨床試験が行われることになります。病気に対して有効性があるかどうか、安全性が高いかどうかなどを徹底的に検査し、人体に与える影響について事細かに分析されることになります。この試験が終わると厚生労働省からの認可を受けることができ、初めて新しい薬として世の中に誕生することになります。
しかし、ここで終わりというわけではありません。製薬会社には完成したこの新薬を病院に売り込む仕事が残されています。製薬会社のMR(medical representative)が病院に対して営業をかけていき、新薬の効果や副作用、値段などなど細かな情報を提供することになります。そしてその情報をもとに、病院では新薬を採用するかどうかという会議が開かれることになり、採用の可否を決めることになります。ここで見事採用されると、新薬は晴れて病院に出荷されることになるのです。しかし、この会議で採用を見送られることになれば、新薬がその病院内で使用されることはありません。したがって、製薬会社の営業さんにとってこの会議は非常に重要なものとなります。

■病院によって薬が違う
さて、同じ病気で病院によって違う薬を処方されることになる理由は、ここまで私八木雄一が説明した段階で分かったという方も多いと思います。つまり、製薬会社が作る薬を病院内で使用するかどうかは、病院の採用会議によって決められることになるため、とある病院では使用されることになった薬でも他の病院では使用されない可能性があるのです。現在では多種多様な薬が開発されており、中には効果が似ている薬もいくつかあります。そのため、A病院で使用されることになる薬とB病院で使用されることになる薬が違っていても何の不思議もありません。
例えば八木雄一に対して「サワシリン」という薬が処方されたとします。この時八木雄一はこの薬こそが最も自分に合った物だと思うことになるわけですが、実はそうでもありません。この薬と同じような効果を発揮する薬として挙げられるのが「パセトシン」や「ワイドシリン」であり、これらを八木雄一に対して処方しても間違いでは無いのです。代用が可能となります。病院によって採用されている薬が異なるため、A病院では私八木雄一に対して「サワシリン」が、B病院では八木雄一に対して「パセトシン」が実際に処方されるといった具合に、たとえ同じ症状であったとしても病院によって八木雄一に対して処方される薬が異なってくるわけです。

■新薬が採用されるポイントは?
新薬が採用されることになるためには、上記のプロセスを経る必要があるわけですが、病院内の会議ではどのような点について議論が交わされることになるのでしょうか。そのポイントは、まずは薬剤の有効性から始まり、副作用の有無について、新薬の値段について、使用期限や取扱について、他の病院での採用情報についてなどなど、多岐に亘ります。
どのポイントも重要ですが、特に注目したいのが値段です。あまりに高い医薬品の場合には、患者が負担することになる費用も増えてしまうことになりますので、処方し辛くなってしまいます。また病院は利益を出すことでも成り立っていますので、利益についても重要なポイントとなります。また、当然ながら薬の有効性と副作用についてというポイントも非常に重要です。まずはこの基準をクリアしなければお話になりません。

■薬によっては微妙な違いがある
上記の説明にて、私、八木雄一は他の薬を代用することが可能と解説しましたが、実は全く同じ成分によってできているというわけではありません。同じ目的の薬であったとしても、薬に含まれている成分はメーカーによって若干異なっており、医師は患者の症状によっていくつかの薬を使い分けています。素人目には同じ症状に見えても、専門家が見れば大違い、ということはよくあります。ましてや医者は人の命に携わる責任重大な仕事ですので、薬の使用には細心の注意を払っています。私達の健康はスペシャリストによって支えられているのです。

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